「以前#なまえが私に会いに来てくれたとき、堕天してよかったと言ったことを憶えているか?」
「……」
「無言は肯定と取るぞ」
「……チッ、憶えてるよクソが。ついでになまえのこと抱こうとしたこともな」
「地獄にいるからこそ輝くものがある。そう思うよなあ?」
「話聞けよ」
「案の定、なまえは注目の的だ」
「……否定はしねえ。けど悪魔どもに執着されるのは面白くない」
「そこは問題ないだろう。私がいるからな」
「うわすげえムカつくんだが?」
「ハハハ! 搾取された能力がもどかしいか」
「あーそうだよ。苛々すっから笑うな」
「アダム~? お前、さてはなまえのことを独占できるとでも?」
「………………」
「いつから錯覚している? 出会ったときからか? それとも抱くようになってから?」
「それを言うならお前もだろ。勘違いしやがって」
「私は地獄の王だぞ。手に入れられないものなどない」
「思考回路堕天使かよ……あ、事実堕天使か……」
「さて、なまえのところにでも行くとしよう」
「あ?」
「気がつかないか? 悪魔が数人見てる」
「……!」
「雀の涙ほどしか能がない者には引っ込んでもらおうか」
「……上等だよ、お前こそしゃしゃり出んな」
「ならば結果で競おう」
「乗った。自分だけが強いと思うなよ」
「よく回る舌だ。泣いても知らんぞ」
「泣かねえよ」
「どうだか」
ファイッ!
