JENGA真火の籠絡 ワタルは展望台へ向かう階段をゆっくり登っている。なまえにも別れを告げられる時間が必要だと思ったのだ。せめてもの厚情のつもりだった。彼なりの顧慮なのである。だが、それが単に人情深いという意味ではないことは火を見るよりも明らかであろう。 初めて... 2025.03.17JENGA
JENGAみなそこまで堕ちる なまえはぐったりと力なく俯いている。その両眼からは依然として涙があふれていた。いくら拭えど止まる兆しが見えない。ワタルは双眸を怪しくぎらつかせ、その姿を見下ろしている。次いで、不穏な様相を呈しながらなまえの肩に触れようとしたところで、大きな... 2025.03.15JENGA
JENGA哀をまじなう 上辺だけで本質的なものが伴っていなかったのだろう。両親の言葉を鵜呑みにし、ただひたすら敷かれたレールの上を歩んできた。言われるがままにアポロにつき従ってきた。それが己の意思で、己の選択であるのだと思っていた。ずっと信じていた。信じてやまなか... 2025.03.14JENGA
JENGAひかりにはほど遠い 現在、なまえは急ぎ足であるところに向かっていた。 ラジオ塔の占拠。サカキを迎え、ロケット団としての活動を再開するための重要な計画を実行するときがやってきたのだ。綿密に練られた作戦を果たすべく、アポロに指示された場所へと走る。これでようやく報... 2025.03.13JENGA
JENGAいわば溟渤のごとく なまえは眼を疑った。アテナが敗北を喫したからである。 先ほどなまえの手ごと己の身体にナイフを突き立てたワタルは、後方から名を呼び駆け寄ってきた少年の方を振り向いた。どうやらもうひとりの侵入者が現れたらしい。少年がやけに距離の近いふたりのその... 2025.03.12JENGA
JENGAたなびく熱源に充てられた バトルで負けたからと言って、だからなんだというの? 黙らせる方法はなにも、それに限ったことじゃない。そうでしょう?: ロケット団。現在はジョウト地方を拠点に活動している犯罪組織である。サカキを筆頭に世界征服を目論み、野望のためならば手段を問... 2025.03.11JENGA
JENGA06 別れの時間くらいはくれてやろうと、ゆったりと歩く程度の余裕はあった。 アジトでの出来事を含め、なまえの存在意義を大きく揺らがすことはできたように思う。俺が直接手を出さずとも、この占領されたラジオ塔を開放するために現れたヒビキくんに精力を奪わ... 2024.10.24JENGA