アイアムアモンスターさあ逃げて! タレオは絶叫しながらなまえの手を取り全力疾走していた。後ろからは黒い怪人が追いかけてきている。一見すると弱そうな怪人だったが、戦力のない彼らにとってはどんな怪人でも恐怖の対象となる。「殺すだけだから!」怪人はそう言いながら粘着質につきまとっ... 2025.01.07アイアムアモンスター
アイアムアモンスター耳をふさいで朝を待つ 「で、その子供はどうしたの?」 タレオは自身を取り囲む怪人たちに心底震え上がっていた。身体が恐怖に支配され、異様な空気に表皮がぴりつく。今すぐにでも絶叫し走り去りたかったが、足は震えてろくに動かず、貼りつけられたガムテープで発声することも叶... 2024.10.11アイアムアモンスター
アイアムアモンスターほえさけぶ夜半 ガロウはハッと目を覚ました。どうやら気を失っていたらしい。記憶にあるのは誰かに殴られたことくらいである。放心状態で上体を起こすと、近くにいたタレオが心配そうな面持ちで「おじさん大丈夫?」と声をかけてくる。ガロウはそれに慌てて口を開いた。「俺... 2024.10.11アイアムアモンスター
アイアムアモンスターつよいけどよわい 「どうしておじさんが……ヒーローに狙われてるの!?」 外を確認するためにガロウが空けていった直径一センチ大の穴。タレオはそこを覗き込み外の様子を覗くと、驚愕と動揺を入り混ぜた声音でそう言う。ガロウは出て行く前、プレハブを囲うものたちとヒーロ... 2024.10.11アイアムアモンスター
アイアムアモンスター罪業の手足に絡まれる なまえは陽が暮れても帰ってこないガロウの身を案じていた。彼は近頃、とっぷりと太陽が沈んでからプレハブへ戻ってくることが多くなっていた。否、帰ってくる時間が遅いのは問題ではなく、注視するべくはガロウの怪我に関してだった。 この頃、ガロウは目に... 2024.10.11アイアムアモンスター
アイアムアモンスターお前が笑うだけでよいのだ 「……お姉さん、あの男のひとと知り合いなの?」「……う、うん。あなたはバッドくん……のご家族なの?」「……うん」「……そ、そっかあ」 なまえは真っ向から見つめてくる少女───ゼンコと、困ったような面持ちで見つめ合う。そして彼女らの視線は、元... 2024.10.11アイアムアモンスター
アイアムアモンスターもえがらより出づ 相対する男が驚愕と憤怒を混ぜ合わせた表情でなまえのことを凝視している。かと思いきや、男は彼女の名を呼んでみせたではないか!シッチは状況を即座に把握できず、暫しのあいだ硬直していた。 なぜ男がなまえのことを知っているのか? 果たしてふたりの間... 2024.10.08アイアムアモンスター
アイアムアモンスター覚悟なされよ ヒーロー協会本部が改築されたことにより、A級以上の希望したヒーローや職員には本部への居住権が付与された。敷地内にいれば衣食住に困ることはない。つまり、怪人の元へ出動する立場ではない職員は、快適かつ安全な生活が保証されることとなる。 シッチに... 2024.10.08アイアムアモンスター
アイアムアモンスター引き続き破壊をお送りいたします なまえがバングの道場を訪ねた数日後、A市が壊滅した。それは丁度シババワの“地球がヤバい”予言に関してS級ヒーローが協会本部に非常収集されていた時の出来事であった。緊急集会の主催者シッチですら、まさか地球の今後についての話し合いを始めた直後に... 2024.10.08アイアムアモンスター