「私ならば貴女を正しい道へ導くことができるというのに、彼の人を選ぶのですね。これは忌々しきことであると自覚していらっしゃいますか? あア、面白くないです。とても。面白くない。私は貴女のことを妥協する気は毛頭ないのですけれど。……そんなに怖がらなくても取って食いはしませんから安心してください。その代わりと言っては難ですが───……おや? なぜ距離を取るのでしょうか?……そうですか。貴女は私のことを軽視しているようですね。貴女にとって私は気弱で頼りのならない男という認識があるようだ。先入観とは恐ろしいものですね。さて、世間話はお了いにしましょう。私は野暮用ができました。それではなまえさん、また明日」
暗暗裏的衝動のもと
