きがつくもの

「こんにちはあ」
「ジ、ジニア先生……えっと……いいお天気ですね」
「ぼくには雨が降っているように見えます」
「わ、わたし、帰って勉強しないと!」
「わあ勤勉ですねえ。えらいえらい」
「……」
「大切なお話があるので職員室まで来てもらえますか?」
「い、いやで」
「ぼくの家でもいいんですよ」
「ひ……い、いきます……」
「ありがとうございますねえ」

「さて。ぼくが何を言いたいのか分かりますか?」
「……」
なまえさん」
「ひゅ……」
「はい、その通りです。あまりにも無謀なことをしてくれましたねえ」
「……」
「ハルトさんとアオイさんがいてくれたから無事だったものの」
「……」
「五体満足で帰って来られたのが奇跡なくらいです」
「……」
なまえさん」
「……」
なまえさん」
「は、はひ」
「……はあ」
「!!」
「ぼくは心配なんです」
「ご、ごめんなさい……」
「……」
「……ジ、ジニア先生……?」
なまえさんはどう思いますか?」
「え」
「ぼくのこのお説教が、どのような意味を孕んでいるのか」
「た、担任だからです。ほんとうにごめんなさい」
「……そっかあ」
「……」
「では、以降気をつけるようにしてくださいねえ」
「は、はい。ごめんなさい」
「……はあ」