窓を割るな

「ヒーロー登場!!!!!」
「……ラプラス。窓を割らずに部屋に入れと何度言えばわかるんだ?」
「ん?」
「ヒーローは百メートル離れていても相手の話が聞こえるほど耳がいいんだろ? なぜ今のような状況では聞こえない」
「ん??」
「………………」
なまえさん、ごめんね。悪気はないから」
「マクスウェル、大丈夫だ。知ってるから。これがラプラスの長所でもあるからな。一応」
「ハッハッハー!!! 聞いたか!? これが! 私の! 長所だ!!!」
「ラプラスいい加減にして」
「いたっ! す、すまない……」
「ハハ、そしてしょげるのも早い」
「謝りなさい」
「………………」
「ラプラス」
「ぅ……なまえ
「ん?」
「ま、窓は……悪、かった……」
「……」
「わお」
「……なまえ、私のことを許してくれるか……?」
「(元気がないとそれはそれで心配になるな……)」
「ありがとう!!!」
「僕はまだ何も言っていないが」
「おっと、パトロールの時間だ」
「聞こえてるかい」
なまえ、また会おう! さらばだッ!!!」
「だからなぜ新しい窓を割る?」