おやすみをください

「指揮官くんと海に行ってたんだって?」
「そうだけど。なに不機嫌になってんの?」
「……僕を見てみな」
「は?」
「気がつくことがあるだろ」
「……」
「……なぜ黙る」
「……」
「見惚れてるのかい」
「!!」
「冗談冗談。いてッ!」
「……」
「……話を戻す。僕が今求めているのはなんだと思う」
「さあ?」
「休暇だよ」
「なんだ、そんなこと?」
「切実な願いなんだが」
「じゃ、あたしとデートしない?」
「デート?」
「そ! 海での思い出話してあげる。楽しいことしながらね」
「ロザンナが言うと印象がな」
「それ褒め言葉」
「……」
「じゃ、行こっか」
「今から? 提出期限の近い書類がまだ」
「休みがほしいって言ったのはなまえでしょ」
「……」
「ほら、立つ!」
「けどなあ……」
「いいから!!」
「……」
「こうでもしなきゃなまえ休まないし。それに後悔はさせないから」
「ロザンナ……」
「なによその顔?」
「いや……ありがとう。デートしよう」
「……」
「な、なんだよ? まさか前言撤回するとか言わないよな」
「……そんなこと言わないって」