「なまえさんって彼女いるの~?」
「いるように見えるか?」
「うん、すっごく!」
「そこまで強く肯定されると逆に不安になるな……」
「じゃあいないんだあ?」
「恥ずかしながらね」
「何年くらいいないの?」
「……二年くらいか? 恐らく」
「ふうん……私、立候補しちゃおっかなあ」
「なにに?」
「なまえさんの彼女に! もう、わかってるくせに~!」
「ティアには指揮官くんがいるだろ」
「なまえさんのこともおんなじくらい好きだもん」
「ありがとう。だがこの距離感はちょっとな。勘違いされるぞ」
「私は勘違いされてもいいもんっ」
「今はな。僕は今後の話をしている」
「今後も!」
「……」
「ティア、なまえさん。おまたせ」
「ナガ。来たか」
「ナガ~! なまえさんねえ、彼女いないんだってえ」
「え、そうなの?」
「まあな。よし、じゃあ行こう。限定スイーツなんだろ? 売り切れる前に行かないと」
「えへへ、なまえさんもナガも付き合ってくれてありがとお」
「なまえさんも一緒に来てくれるとは思わなかった。時間あるの? いつも忙しそうにしてるのに」
「今日は二か月ぶりの休日だ」
「うわ……ブラック……けどそんな貴重な日を私達のためだけに使ってくれるのはうれしいな」
「僕も誘ってもらえて嬉しいよ」
「なまえさん、ここの教師を本職にしたら? そしたら私達も毎日会えるし」
「あっ! ナガのその考えすっごいいいと思う! 賛成~!」
「ハハ、それは楽しそうでいいな」
「………………」
「………………」
「ん、立ち止まってどうした?」
「いや、こうやって惹かれていくんだなって思って」
「……む~……」
「いいから早く行こう。僕も限定スイーツとやらを食べてみたいんだ」
「色々質問攻めしちゃおっかな」
「私もなまえさんの私生活気になる~!」
「別に普通だよ」
「二か月もお休みをもらえないのは普通ではないと思うけど」
「……休める日を設けてもらえるだけで感謝していたんだが」
「……ブラックの思考に蝕まれてる……」
ブラック思考
