千切れちゃった

なまえそっちはどうだ」
「見つかりません……!」
「はははごめんね」
「貴様ァ……笑いごとではない!」
「ほんとだよ……探すこっちの身にもなってよ……」
「いつもより目線が低くて、へんな感じがするよ」
「そりゃ頭部だけ谷裂くんに持たれている状況だし」
「だぁあ見つからん! 大体身体だけで何が出来る!?」
「そんなのおれにもわかんないよ~谷裂こわいよ~」
「木舌くん……そういうのは神経を逆なでするだけだよ……やめたほうがいいと思うの……」
「うんそうみたいだね現に頭を潰されそうだ」
「無駄口を叩いている暇などない。さっさと見つけ出して戻らねば」
「でも、頭がないから何も見えないはずなのに。移動するのって可能なの?」
「俺が知るか!」
「谷裂くん、そうかっかしないで」
「……! 谷裂、なまえ、向こうだ!」
「き、木舌くんの身体があんなところに……!?」
なまえ捕まえるぞ絶対に逃がさん」
「うん!……うん?」
「む……逃げるどころか向こうから近づいてくれるとはな。ならば手間が省ける」
「やっぱり見えないんだ……すっごいフラフラして、る……!?」
「なっ」
「ひぃいー!」
「……谷裂、おれすごいことを発見したみたいだ」
「は?……何だ」
「あっ、ちょっ……助けてえ!」
「頭と身体が離れても、この手になまえの胸の感触が分かる!」