斬新じゃーん

田噛くんが安らかな顔をしながら息を引き取っている。ただ眠っているだけだと思っていたけど、これは違う。死んでいるのだ……!

「田噛殺すとか、なまえ度胸あんなぁ~」
「ち、違うよ! わたしじゃない!」
「嘘つきはドロボウの始まり!」
「わたしじゃ……わたしじゃないよ……。どうせまた平腹くんが無意識の内に殺しちゃったんだ。そうに決まってる!」
「オレー!?」
「だっていつもそうでしょ!」
「そうなの?」
「そうだよ! 無意識で殺しちゃうのが一番おそろしいんだから」
「ふーん。じゃあオレってちょう優しいってことじゃん」
「あはは、冗談やめてよ」
「黙れよ?」
「ごめんなさい」
「だってさー、オレちゃあんと考えて殺してるし」
「え……なにそれ初耳……」
「言ったことねーもん。当たり前」
「……ちょっとまって。じゃあなに、わたし今まで散々殺されてきたけど、それって偶然とか不運を装って」
「殺ってたってこと!」
「い、一応訊くけど、どうして」
なまえってさあ、なんかこう、殺したくなるっつーか滅茶苦茶にしたくなるんだよなぁー……。何でだろうな? あ、ちょっと殺していい? 今! 今な!!」
「ぐわああああ!!」
「うるせえな」
「あ、田噛くん。おはよう」
「田噛おっはよー! なあなあ誰に殺されたの? オレ仇討ってきてあげようか??」
「あ? 誰にも殺されてねえよ」
「えっ」
「ん? どゆこと?」
「息すんの面倒かっただけだ」
「……」
「へー、新しい死に方だな! 今度なまえもやってみてよ」
「絶対にいや!!」