直接脳内に……!?

「うっ!」
「!? ど、どうしたんですか、牧野さん!」
「……また、声が」
「声……? 近くに誰かいるんでしょうか」
「いえ、これはそういうのではなくて」
「?……宮田先生、牧野さんを診察した方がいいんじゃ」
「断る」
「えーっ!? お医者さんなのに! なんてことを!」
「ハッ」
「(鼻で笑われてるよ……)」
「語りかけてくるんです」
「その、声が……ですか?」
「はい。あの女の言う事を聞いては駄目だと、それの繰り返しで……」
「う~ん……?」
「……ん? また何か……ええ!? し、し、死ねと言ってきましたよ!! 今度は突然、男性の声が!!」
「ひっ牧野さん、お、落ち着いてください! それは……そう! きっと幻聴です!」
「はあ……ふう……取り乱してしまって、すみません……。でも、なんだか聞いたことのあるような声ですね……どこかで……」
「(相当追いつめられているみたいだなあ)」
「…………」
「……宮田先生? さっきから怖いくらい静かですけど、もしかして先生にも声が?」
「ああっ!?」
「!?」
「そ、そうです、分かりましたよなまえさん!!」
「ま、牧野さん、肩、痛」
「この声、宮田さんのものです!!」
「え……」
「……」
「ふ……ふふ、ねえ宮田さん。何も言い返さないという事は、図星なんでしょう?」
「あの……とりあえず、落ち着きましょう ?宮田先生はずっとだんまりでしたし、そんなことあるはず」
「やっぱり双子って事かな」
「!?」
「……やはり、貴方の仕業なんですね。消えろだの何だのと、私の存在を否定し続けているのは」
「武器すら持てない無能はさっさと退場するべきかと」
「……」
「(一体なにが起こっている?)」
「そこまで言うのなら、やってやろうじゃありませんか」
「何を?」
「分かっているくせに。声に従うんですよ」
「牧野さんには無理だ。どうせ」
「無理かどうかはその目で確かめて下さい。やってやりますよ、私は」
「……」
「ええ、やってやりますとも。私は死にません。殺されるのは御免ですからね」
「そこまで言うのなら、俺は貴方が無様に死にゆく姿でも見届けることにしますよ」
「(本当になんなのこの状況!?)」