野球の拳

「おそ松兄さんからでんごーん」
「弟をパシるとはなんて長男だ」
「今すぐ松野家に! 集合!!」
「え、これから出かけ……ウ、ウワァ~ッ!」

「おそ松兄さんおそ松兄さん! なまえちゃん連れてきたよ」
「良くやったぞ十四松ぅ~。よし二人とも、野球するぞ」
「わたし野球のルールには詳しくないけど、三人でやるものじゃないことくらい知ってる」
「野球すんの!?」
「そうだ野球だ!」
「いや話を聞こうよ……」
「安心しろよ、なまえ。野球は野球でも、三人でもプレー可能な野球だ」
「な、なにそれ? クイズ?」
「ちょー簡単じゃね!?!?」
「おっと十四松選手、早くも閃いたか~!?」
「なにこのテンション……ついていけない……」
「正解は」
「野球けーん!」
「わたしかえる」
「まあそう言うなよなまえちゃん」
「ちょっとどこ掴んでるの!!」
「どこってブラジャーのホックだけど」
「この一瞬で的確にそんなところを掴むおそ松くんが怖い」
「俺に背中を向けたのが運の尽きだったなあ」
「野球拳しないのー!?」
「十四松くん、こんなお兄さんの言うことなんて聞かなくていいんだよ?」
「いや言い出したの十四松だけど」
「まさかの展開。しかも作戦立ててたんだ……騙された……もう何も信じられない」
なまえちゃん、野球拳やりたくないの?」
「う。ここでその表情は反則……」
「お前ほんっとこいつに甘いよな。なんかムカつくからホック外すわ」
「ひいいい」
「瞬・殺」
「えぐえぐ助けて十四松くん」
「わかったー!! くたばれおそ松」
「ぐえっ」
「……あ、ありがとう(まさか本当に助けてくれるとは)」
「んーん! 俺、なまえちゃんの泣いてるとこ見たくない」
「……」
「えへへ」
「いやいい雰囲気にもっていこうとしてるけど元凶は野球拳の提案をした十四松くんきみにあることをわたしは忘れていないからね?」
「ちぇっ」