すくうだけ

「なまえちゃんの彼氏いるでしょ？　僕の聞いた話によると、結構女癖悪い奴みたいでさー、浮気してるみたいなんだよね。でも#なまえちゃん気づいてないし、それどころか貢いでるって言うじゃん。バカだよねえ、何で気がつかないんだろ。しかもその男の顔も、写メ見たけど特別整ってる訳でもなかったし。意味わかんないよねえ。でもさ、ほら、僕らみたいな人間とつるんでるのにどうしてあんないい子に育ったのか本当不思議なくらいなまえちゃんって素直じゃん？　かわいいじゃん？　だからそこに付け込んでる糞みたいな人間がいるって知って僕ムカついてさあ。かといって脅迫しようにも僕喧嘩弱いし、うわ～困ったな～っていうのが今までの流れなんだけど。おそ松兄さんはどう思う？」
「話がなげーよ。お兄ちゃん怖い。お前の勢いが怖い」
「ごめーん！」
「……まあ、あのなまえなら騙されて仕方ねえなとは思ったよ。そんくらい」
「え～っなまえちゃんが遊ばれてるのにそれだけ？何か意外だね、てっきりキレると思ってたのにぃ。僕だけイライラしてバカみたい」
「ここで情報通なトド松も知らない、とおっても耳寄りな情報をお兄さんが教えてあげよう」
「なに？」
「あいつら別れたんだぜ」
「えっそうなの？　うっそ僕より早くどうやって知ったの」
「だって俺が言わせたようなもんだし」
「説得で？」
「俺にそんな頭があると思うのかお前は」
「いやまったく」
「おう。つまりそういうことだ」
「そっかそっか。なまえちゃん、よかったねえ。クズと別れられて」
「めでたしめでたし」