「おっなまえー! 今から一緒にゲームしようぜ!」
「きみの目は節穴なの?」
「目ェ? よく見ろって、オレに眼玉はあるだろ? 木舌じゃねーんだからさ」
「うーん……わたしの塞がった両手を見てください」
「なんか重そうだな!」
「そうだよ! 重いの! 用事があるの! だから遊べないの! そこ退いて!」
「やだ」
「ちょっと、ねえ、わたし本当に急いでるの。今日は獄都まで行かなきゃいけないから……わかってほしいなあ」
「んー?」
「だからぁ……!」
「ヒマすぎて死にそう」
「……わかった、こうしよう。帰ってきたら一緒にゲームする。だから今は行かせて?」
「……」
「(不穏な空気……嫌な予感がする……!)」
「それならいーよ」
「えっ!?」
「だからいいって。オレ待ってる」
「そ、そう……ありがとう」
「ん。行き来の合間に死ぬなよな」
「う……うん! 行ってくる! わたしが帰るまで田噛くんとかとでも遊んでてね」
「……田噛ィ?」
「!?」
「ア゙~~クソ最悪なこと思い出した。そーだよ、オレ最初は田噛のこと誘ったんだよな。そしたらメンドイ言われてさぁ、でもオレも超ヒマだったからさぁ、めげないで何回も誘ったんだよ。そしたらウゼェって言われてブッ殺された。訳わかんねぇ……ムカつくよなぁ……すっげえムカつく……なんかイライラしてきた……クソ、クソ……死んだ拍子で忘れてたけど……」
「そ、そう……」
「やっぱなまえじゃなきゃダメだなー。ってことで遊ぼうぜ!」
「えっ!?」
「ん?」
「わたし、用事あるって言った……」
「仕事じゃないんだろ?」
「ええ……」
「そうと決まれば部屋に行くか!」
「(こうなったら強行突破しかない……!!)……っえ、ぁ、嘘っ足に……」
「あ!? 落ちた……。そういやここ階段の踊り場だったし! つーか、あれってもしかして死んでる? マジ? これってオレが悪いの? 佐疫に見つかったら怒られるくね? それはめんどくせえなぁ……証拠インメツでもすっかー」
カヒナシ
