「……なにしてるんですか、宮田さん」
「私のことは求導師と呼んで下さい」
「や、やっぱり宮田さんだ……。それに、着てるの。求導服ですよね? 牧野さんはどうしたんですか?」
「アレなら殺しました」
「えっ」
「……嘘ですよ。何鵜呑みにしてるんですか」
「(だって嘘に聞こえない……!)」
「ああ、ところで貴女は祈りを捧げに来たと」
「はい、そうです」
「毎朝ご苦労なことですね」
「……こ、言葉にトゲが……」
「実際神に祈りを捧げるより有益なことがあると思いますが」
「ど、どうしてそんなこと言うんですかあ……」
「……」
「……牧野さんが嫌いだからですか?」
「……別に、分からないのなら分からないで結構です」
「距離を感じる……」
「距離があってはいけませんか」
「ううん、やっぱり、寂しいじゃないですか」
「……寂しい?」
「はい。……わたし、純粋にもっと宮田さんと仲良くなりたいって思っていますし……」
「……」
「そう思うのは駄目ですか?」
「……、いえ、構いませんが」
「……ふふ、ちょっとうろたえたでしょう」
「……」
「あ、ごめんなさい。……ふふ。求導服姿、素敵です」
「……そうですか」
「はい!」
「だとすると、やはり牧野さんのことは殺さなければ」
「え、どうしてそう」
「牧野さんが牧野さんである以上、俺はアレを殺さねばならないからです」
「え、え、」
「求導服を身につけるのは二人も要らない」
だからどうしてそうなるのだ!