「ぐぬぬ」
「……なまえ氏? そんな難しい顔してどうしたの?」
「今、ふたつの選択肢のところで止まってるんだけどね……どっちを選ぼうかって……」
「ふうん」
「……キングはこういうとき、どんな風に決めてる?」
「え? 俺は……まずは自分の直感で決めるかな。っていうかなまえ氏、エンディングの数に応じて周回するのが常識ってやつだよ」
「た、たしかにそうだけど! やっぱり一番最初って特別感があるじゃない? それを大切にしたいの」
「……そうか」
「でね、キング、これだったらどっち選択する?」
「……うーん、俺だったら“応援しない”かな。そうすることで意識してもらえるっていう寸法で」
「え!? “応援しない”の!? ここは“応援し”て、“ありがとう……好きだ……”って流れなんじゃないの!?」
「なまえ氏がそれでいいならそれでいいと思うよ」
「……くっ……でも……だが……っ!」
「(楽しそうだなあ)」
「……決めた。“応援する”。そうする」
「うん、いいんじゃない?」
「よ、よし……押すよ?」
「うん」
「……ッアーー!! 死んだ!!」
「えっ!? 死ぬエンドなんてないはずなんだけど」
「あ、あれえ……じゃあ、どうして死んじゃったのお……?」
「……あ、そういえばこのゲーム、隠しエンディングがあるんだった」
「そんなものが……?」
「うん。回収するには隠しコマンドを入力する必要があるんだけど。なまえ氏それを打っちゃったんだね。普通に考えればすごい確率だよ」
「……それって喜んでいいの?」
「レアなエンディング見れたんだから喜んでいいと思うよ」
「……ヤッター!」
「わあぱちぱち」
~HAPPY END~