「最近ね、ストーカーに困ってるんだけどね」
「何慣れた口調で言ってんだよ」
「だって、初めてじゃないし」
「少しは警戒しろアホ」
「あ、あほ……」
「で、そいつがどうしたって?」
「そうそう、警察に被害届出そうと思ったんだけど、気づいたらいなくなってたの」
「ほー」
「だから、もしかしたら気づいてくれたヒーローが退治してくれたのかなって」
「ヒーローじゃねーよ」
「え?」
「ヒーローに助けられるくらいなら俺が助けるわ」
「ガロウくん……! かっこいい!」
「ハア!?!?」
「そ、そんなに驚くところ?」
「……」
「い、いひゃいいひゃい! おえんええ!」
「とにかく、何かあったら俺を頼れ。いいな?」
「ひゃい」
「それでいいんだよ」
「……それにしても、誰がストーカーをやっつけてくれたんだろう」
「……」
「何も言わずに行動に移すあたり最高にかっこいいよね」
「……」
「お礼がしたいのだけど、名乗り出てくれないかなあ。無理かなあ」
「……なまえが一緒にいてくれるだけで十分だっつーの」
「? どういうこと?」
「なんでもねーよアホ」
「む、またアホって言った!」
「何度でも言ってやるよアホ」
「もー!!」
あざす!
