「(くんっ)(おはぎの匂い……ッ!!!!)」
「聞こえてんだよォ!!」
「まだなにも言ってないです!!」
「るせェ! さっさと俺の前から姿を消しやがれェ!!」
「なまえさんに会うまでは帰りません!!」
「なんだとォ!?」
「あ、炭治郎くん」
「なまえテメェは引っ込んでろォ!」
「そんなこと言わないでよ」
「なまえさん!」
「実弥くんがごめんね」
「い、いえ!」
「……チッ」
「食べてみたいって言ってたおはぎ持ってきたの」
「あ、あ、ありがとうございます」
「え、え、どうして泣くの!?」
「……不死川さんから香ってくるおはぎの香りがどうしても忘れられなくて、夢にもでてきて……」
「ゆ、ゆめにまで。そんなに」
「なまえさん、いただいてもよろしいですか?」
「もちろん」
「……」
「はい、実弥くんも」
「……チッ」
「う、う、おいしいです」
「……畜生うめェ……」
うめぇ……。