「久しぶりだな、なまえ。……え? なんでまたなまえの前に現れたって? ハハ、そんなこと気にすんなよ。それはそれ、これはこれって話よ。さて、なにから話そうか。……そうだなあ、これだけは伝えようと思ってたんだけど、オレ、結構寂しかったんだよな。どうして、って……そりゃなまえと話せなかったからに決まってるだろ?……ん? バッターさんは、だって?……なんだよ、オレという人間がいるってのに外の男の名前出す?……ま、いいけど。あいつは動かない。いや、動けないが正しいか。なまえがOFFというゲームから離れているってことは、あいつは行動権を失くすってことを指してるからな。……ゲームを再開するもしないも、なまえの自由だ。だけどやっぱりオレからしちゃあ止めてほしいってのが本音かな。今エルセンたちが───まあ、バーント化する場合もあるっちゃあるが───倖せに暮らせているのも、パブロがなにげない毎日を過ごしていることができるのも、なまえ、あんたのおかげなんだよ。この世界軸ではバッターになにもかもを虚無にされた、なんてことは起きてないからな。……なんのことかって? 知らなくていいんだよ。知らない方がいいってこともある。けどなあ、オレくらいのレベルになれば境界線なんて関係ない。総べては無意味なのさ。オレにとって障壁とは糧にしかならない。訳が分からないって顔してるな。……なぜオレがなまえの表情まで分かるかっていうとさ、液晶パネルに反射してんのよ。なあ、後ろ見てみ? きっと驚くぜ」
振り向く?
