いつだってそう

なまえちゃんなまえちゃん」
「……」
「無視しないでよ~オレ泣いちゃうよ?」
「……」
「ねえってば~」
「……はあ」
「あーもう溜め息すら愛おしい」
「(コワ……)」
「ねね、どこ行くの?」
「ガルガリさんには関係ありません」
「エ~! じゃ、付いて行っちゃお!」
「……」
「早足になってもオレのが足長ぇから意味ないよ」
「……」
「あれっ? 怒っちゃったの?」
「もしもしコベニちゃん?」
「アーッ! 待った待った!」
「か、返してください!」
「ヤだよ。コベニちゃんは呼ばせない」
「……」
「ねえなまえちゃんすき。だいすき」
「な、なんで」
「こんなこと言うのなまえちゃんにだけだよ」
「……ガルガリさんがなにを考えているのか、わたしにはわからないです」
「そりゃ他人の気持ちなんて分かるわけないっしょ。ましてオレは魔人なんだから余計にね」
「さよなら」
「ねえ待ってよ」
「は、はなして」
「お願いだからオレの話聞いて?」
「……まあ、聞くだけなら」
「オレね、なまえちゃんのことだいすきなんだ」
「……それ、は、何回も聞いて」
「うん。でも何回言ってもなまえちゃんは真剣に受け止めてくれないじゃん」
「それは」
「オレが魔人だから?」
「……」
「あーあ、オレニンゲンに生まれたかったなア。そうすりゃなまえちゃんといろんなコトできんのに」
「……」
「……ん?」
「(悪寒が!?)」
「あアそっか! オレ魔人だからって遠慮することないんだ! なんで今まで気づかなかったんだろ」
「さ、さよなら!」
「待てって。何回言やわかるんだよ」
「ひ」
「これから愉しいコトしようね」
「い、いやです、やだ」
「なにその顔ちょうカワイイ~!」
「お、おねがいです、ゆるしてください」
「オレ魔人だよ? そう言われてはいわかりましたって言うと思う?」
「……お、思います。だってガルガリさんはわたしのことが、す、すきみたいだから、わたしの嫌がることはしないと思います」
「……エ~……」
「……」
「うお!? なまえちゃんて泣き顔までカワイイんだね!?」
「おねがいだからたすけてください……」
「ン~……ヤダ」
「うええん」
「よしよし。泣かないの」
「うああん」
「さて、帰ろっか」
「ど、どこにですかあ」
なまえちゃんの家にだよ。送ってく。ついでに中に入れて!」
「え、え、どうしてわたしの家知って」
「オレね、なまえちゃんのことなんでも知ってんのよ」
「え……」
「好きなんだから当たり前っしょ!」
「こ、コワイ……」
「よーし、なまえちゃんの家に出発進行~!」
「か、帰りたくないいい」